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Azure CLIを触ってみたら、ポータルには戻れなくなった話 😅

Azure CLIを触ってみたら、ポータルには戻れなくなった話 😅

Azureを学び始めた頃、私も例に漏れず ポータル依存人間 でした。GUIでポチポチすれば、だいたいのことはできますよね。 でも「毎回同じことをやっている気がするな」「昨日も同じ手順でVM作ったよな…」と気づき始めると、だんだんとGUIの限界が見えてきます。 そこで手を出したのが Azure CLI。 正直、もっと早く触ればよかった。CLIを知ってからは、「ポータルでポチポチ地獄」に戻ることはなくなりました。 この記事では、Azure CLIを実際に触った体験をもとに、便利だったポイント、ハマりどころ、そして学びをまとめます。 CLIは怖くない CLIと聞くと「黒い画面に文字ばかりで怖い」と感じる人も多いと思います。私もそうでした。 でも実際には、コマンド体系がシンプルで覚えやすいんです。 たとえば「リソースグループを作成したい」と思ったら、構文はこうなります。 az [リソース種類] [操作] つまり * リソースグループ → group * 作成 → create を組み合わせて、 az group create -n mygroup

Azure PowerShell入門:GUIから卒業したい人のための第一歩

Azure PowerShell入門:GUIから卒業したい人のための第一歩

正直に言うと、最初はAzureポータルの「次へ」ボタンを追いかけるのが日課でした。リソースグループを作って、VMを作って、「保存」。達成感はあるけど、ある夜、通信断のインシデント対応で10台のVM状態を確認して回ったときに悟りました——これは人力でやる仕事じゃない、と。 「あれ、さっきどのRGのVMを再起動したっけ?」履歴をたどっても指の記憶しか頼れない。翌朝、ログを並べ替えて証跡をまとめながら、もう二度とクリックに人生を預けないと決めました。そこで出会ったのが Azure PowerShell。以降の運用が本当に楽になったので、良かった点とハマった点を、なるべく分かりやすくまとめます。 そもそもPowerShellってなんだっけ? Windows時代からのシェルだけど、今はMacやLinuxでも動くクロスプラットフォームのスクリプト環境。 Get-Process や New-Item のように「動詞-名詞」で統一され、学習曲線が緩やか。 出力は文字列じゃなくオブジェクト。だからパイプで「選ぶ・並べ替える・変形する」が自然に書ける。 Azure PowerShellとの出会

Azure Storageを触ってみた話:Blob / File / Queue / Tableの使い分けってこういうことか!

Azure Storageを触ってみた話:Blob / File / Queue / Tableの使い分けってこういうことか!

クラウドを勉強し始めたとき、最初に直面した疑問が「データはどこに保存すればいいの?」でした。 SQL Databaseなのか?それともStorage Account?BlobやQueueという聞き慣れない名前も出てきて、正直、最初は混乱しました。 しかし、自分の場合はチュートリアルや実務で試していくうちに「なるほど、役割分担はこういうことか」と理解できるようになりました。この記事では、その気づきを共有していきます。 Azure Storageとは?ただの倉庫じゃない Azure Storageを一言で表すなら「クラウドのデータ倉庫」です。 ただし、単なる置き場ではなく、次のような特徴を持っています。 * 耐久性:データは自動的に複製され、ハード障害でも失われない * スケール:小さなアプリからペタバイト級まで対応できる * セキュリティ:保存データは標準で暗号化 * 接続性:REST APIやSDKを使ってアプリから簡単に操作可能 要するに「開発者が気にせず安心して使える」のが強みです。 私は最初「バックアップは自分でコピーするのかな?」と不安になりましたが、Azu

CapExとOpExの違いをクラウド視点で理解する

CapExとOpExの違いをクラウド視点で理解する

クラウドを学び始めると、必ず出てくる用語のひとつが CapEx(Capital Expenditure:資本的支出) と OpEx(Operational Expenditure:運用的支出) です。 最初にこの言葉を聞いたとき、私は正直ピンと来ませんでした。「クラウドのコストって従量課金でしょ?わざわざそんな古い会計用語を覚える必要があるの?」と。でも実際にオンプレミスとクラウドを比較したり、お客様に導入の説明をするとき、この2つの考え方を理解しているかどうかで説得力がまるで変わります。 この記事では、CapExとOpExの基本、違い、そしてAzureのクラウド利用にどう関わるのかを整理します。 CapEx(資本的支出)とは? CapExは 最初にドンと投資して資産を持つ 方式です。 企業がサーバーを購入する場面を思い浮かべてください。 * サーバー機器をまとめて購入 * 将来の拡張を見越して少し大きめを選ぶ * 電源・空調・ネットワーク環境を整備する * 運用担当者を雇う こうした費用はすべて「最初の大きな支出」として計上されます。 その後は比較的低コストで

☁️ 「規模の経済」でクラウドのコストが下がる理由

☁️ 「規模の経済」でクラウドのコストが下がる理由

クラウドを学び始めると、よく出てくるキーワードのひとつが 「規模の経済(Economies of Scale)」 です。 この言葉、経済学の授業っぽくてちょっと堅苦しい印象がありますよね。けれど、実際にクラウドの料金がなぜ下がるのか、そして「小さな会社でも大企業並みのITインフラを使える」のはなぜかを理解するうえで欠かせない考え方なんです。 今日はこの「規模の経済」を、クラウドではなく「カフェチェーンの拡大」という身近な例で説明してみます。 ☕ 1店舗の小さなカフェからスタート あなたが小さなカフェをオープンしたとします。 開業時は1店舗だけなので、仕入れるコーヒー豆も少量。近所の業者から小口で買うしかありません。そうなると当然、1kgあたりの単価は高い。 * コーヒー豆:小口購入なので 1kg あたり 2,000円 * ミルクや砂糖:まとめ買いができず、スーパー価格で仕入れ * 店舗運営:バリスタも1〜2人しか雇えず、忙しいときは回しきれない つまり「1杯あたりのコスト」は結構高くなります。その分、販売価格も少し高めに設定せざるを得ません。 ☕☕ 店舗数が増える

ネットワークサービスの基礎 ― VNet, VPN Gateway, Load Balancer, Application Gateway, CDN

ネットワークサービスの基礎 ― VNet, VPN Gateway, Load Balancer, Application Gateway, CDN

クラウドを使う上で避けて通れないのが「ネットワーク設計」です。 特に Azure では Virtual Network (VNet) を基盤に、オンプレミス接続や負荷分散、さらにはグローバル配信までを支える様々なサービスが提供されています。 本記事では、AZ-900 試験範囲にも含まれる代表的なネットワークサービスを整理しながら、なぜそれが必要なのか、どのように使われるのかを丁寧に解説していきます。 ネットワークサービスとは? Azure のネットワークサービスは大きく分けると次の役割を担っています。 * 接続:クラウド内のリソース同士、またはオンプレミスと Azure をつなぐ * 保護:セキュリティルールや暗号化を通じて通信を安全にする * 最適化:負荷分散やキャッシュでアプリケーションのパフォーマンスを向上 クラウドのスケーラビリティや可用性は、ネットワークサービスが支えていると言っても過言ではありません。 1. Virtual Network (VNet) 定義 VNet は Azure 上の 仮想ネットワーク基盤です。物理データセンターのスイッチや

☁️ 私がCloud Adoption Frameworkを学んで分かったこと(AZ-900対策と実務のリアル)

☁️ 私がCloud Adoption Frameworkを学んで分かったこと(AZ-900対策と実務のリアル)

クラウドを学び始めたころ、私は正直こう思っていました。 「Azureにサーバーを移せばいいんでしょ?クラウド導入なんて、そんなに難しく考えなくてもいいんじゃない?」 でも実際にCloud Adoption Framework(CAF)に触れたとき、その認識は一気に崩れました。 クラウド移行は、単なる技術作業ではなく組織全体の変革なんですよね。 今回は、自分がCAFを学びながら「これは役に立った」「ここでつまずきやすい」と感じたポイントをストーリー調でまとめます。AZ-900を受ける方にも、実務でクラウド導入を考えている方にも参考になるはずです。 💡 CAFとの出会い — 「なぜ」が先に来る衝撃 ある日、同僚に言われました。 「Masato さん、クラウドに移行したいならまずCAFを見た方がいいよ」 そこで公式ドキュメントを開いたのですが、最初に出てきたのが Strategy(戦略)。 「戦略?いやいや、自分は技術屋だからまずは仮想マシンの作り方から知りたいんだよ」と思った私は、そこでちょっと面食らいました。 でも読み進めると納得。CAFはこう問いかけてくるのです。

☁️クラウドとは?(Microsoft Azure入門)

☁️クラウドとは?(Microsoft Azure入門)

クラウドって、今さら聞けないけど実際には何なのか? そんな疑問を持ったままAzureを触り始める人は少なくありません。 このシリーズでは、Azureを学ぶ前に 「クラウドってそもそも何なのか」 から丁寧に解説していきます。第1回はまさにそのスタート地点。Azureだけでなく、AWSやGCPといった他のクラウドにも共通する「クラウドの特徴」を学んでいきましょう。 クラウドってどういう意味? 日常的に「クラウド」という言葉を耳にすると思いますが、正確には クラウドコンピューティング の略です。 クラウドコンピューティングとは―― インターネットなどのネットワークを経由して、コンピュータ資源(サーバーやストレージ、ネットワーク機能など)をサービスの形で提供する利用形態 のこと。 「クラウド=雲」 というイメージは、インターネットを図で表すときに雲のマークを使っていたことに由来します。特に有名なのは、GoogleのCEOが「どんなデバイスからでもインターネット越しにリソースを使える」仕組みを雲になぞらえたのが広まったとされています。 NISTが定義したクラウドの5つの特徴 で

Microsoft Azure入門講座 - 第2回:サービスモデルの違いをちゃんと理解しよう

Microsoft Azure入門講座 - 第2回:サービスモデルの違いをちゃんと理解しよう

みなさん、クラウドを学び始めると必ず耳にする言葉があります。 そう、IaaS・PaaS・SaaS です。 「あーそれ聞いたことあるけど、結局なにが違うの?」 「言葉の響きはわかるけど、どこまで自分が管理するのかが曖昧…」 こんなふうに感じている方も多いのではないでしょうか? 今日は、そのモヤモヤを一緒に解消していきましょう。 そもそも「aaS」ってなに? まず、共通してついている aaS は「as a Service(サービスとして)」の略です。 つまり「〜をサービスとして提供しますよ」という意味。 * IaaS → Infrastructure as a Service(インフラをサービスとして) * PaaS → Platform as a Service(プラットフォームをサービスとして) * SaaS → Software as a Service(ソフトウェアをサービスとして) シンプルに言うと、どのレイヤーまでをクラウド事業者が面倒を見てくれるのか、という違いなんです。

Microsoft Azure入門: 無料アカウントの作成

Microsoft Azure入門: 無料アカウントの作成

クラウドを学び始めるときに最初の壁となるのが「どうやってアカウントを作るの?」という部分です。 Azureでは無料アカウントが用意されていて、これを活用することでコストを気にせず体験を始められます。今回はその登録方法を詳しく解説します。 無料アカウントの仕組み Azureの無料アカウントには以下のような特徴があります。 Azure の無料アカウントを作成するか、プリペイドで支払う | Microsoft AzureAzure アカウントを作成して、アプリケーションを作成、デプロイ、管理するためのスケーラブルでコスト効率の高いサービスの使用を開始します。Microsoft Azure * ¥22,500分のクレジット(30日間有効) → この範囲内であれば自由にサービスを試せます。 * 12か月間無料で使えるサービス → 仮想マシンやストレージなど、代表的なリソースの一部。 * 常時無料のサービス → Azure Functions や特定のデータベースなど。 💡 注意点として、30日が経過するか¥22,500分を使い切ると試用期間は終了します。 その

Azureポータルの基本操作をマスターしよう

Azureポータルの基本操作をマスターしよう

「Azureを使いたいけど、ポータルってどこからどう触ればいいの?」 初めての受講者から、必ずといっていいほど出てくる質問です。 確かにAzureポータルはできることが多すぎて、最初は「ボタンだらけの大きなコントロールパネル」に見えますよね。でも大丈夫。今日は私と一緒に、画面をクリックしながら基本を押さえていきましょう。 まずは入口を知ろう Azureポータルの入り口は一つ。URLは 👉 https://portal.azure.com これをブックマークしておけば、毎回探さずに済みます。 初めて開くと「え、どこから触ればいいの?」と戸惑うと思います。でも構造を理解すると「あ、このメニューはこのためだったのか」とスッキリします。 左側メニューを攻略しよう 画面左にはずらっとメニューが並んでいます。よく使うのはこのあたりです: * リソースの作成 仮想マシンやストレージなどを新規作成。サービスごとにカテゴリ分けされています。 * ホーム TOP画面に戻ります。左上の「Microsoft Azure」ロゴを押しても戻れます。 * ダッシュボード

Azureのジオとリージョンの違いをちゃんと理解する 🌏

Azureのジオとリージョンの違いをちゃんと理解する 🌏

お客様に適した Azure リージョンの選定 | Microsoft AzureAzure には他のどのクラウド プロバイダーよりも多くの地域があり、あらゆるアプリケーションに対して堅牢なデータ主権、所在地、コンプライアンス、回復性の機能を提供しています。Microsoft Azure クラウドを学び始めてまず直面するのが「場所」の概念です。 Azureのドキュメントには必ず 「ジオ(Geo)」 と 「リージョン(Region)」 という言葉が出てきますが、両方とも「地理的な単位」を表しているため、最初は混乱しがちです。 私も最初は「どっちもデータセンターの場所の話でしょ?」と軽く流してしまい、あとで痛い目を見ました😂 ところが実際には、この2つを正しく理解していないと コンプライアンス要件やコスト設計、災害対策の仕組みを誤解することになります。 この記事では「ジオ」「リージョン」の違いを整理し、それぞれの意味や実際に選ぶときの考え方を解説します。 ジオ(Geo)とは? Azureにおけるジオは、国や広域地域単位の区分です。 たとえば、日本・韓国・中国はそれぞれ独立したジ